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ノンフィクション作家の神山典士さん、とらんたん訪問!

3月22日、ワーホプレイスとらんたんに来所したのは、1997年に『ライオンの夢 コンデ・コマ=前田光世伝』で小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞し、ノンフィクション作家としてデビューした神山典士さん。

田舎暮らしに憧れている、お母さん業界新聞代表の藤本は、神山さんの著書「トカイナカに生きる」(文春新書1368)に非常に感銘を受けていたところで、直接話を聞くことができることはタイムリーでした。


サインをしてもらいました♪


藤本)
今の社会は、子育て支援というもののありかた、そして、子育ての大変な部分ばかりがクローズアップされることにより、
お母さんになりたくない人が多くなってしまいました。
働かなければならないから保育園に子どもを預けるのではなく、子育てが大変だから保育園を利用する人が多いのです。
大変だけど、子育て、子どもたちからはたくさんのものをもらえます。
一生の宝物です。
そこに気がつかない人が多いこと。

神山)
埼玉県ときがわ町で自然塾をしています。
トカイナカハウスがあります。
五感を使って書く子ども作文教室も主宰しています。
ときがわ町で暮らし始めて、最初は男社会に挨拶しました。
町長、役場、区長さん…全然広がらなかった。なかなかその地域に入っていくのが難しかったんです。
しかし、このエリアのお母さんたちと繋がった時にネットワークが広がった。
ここは、有機野菜のメッカで、全面積の17%が有機野菜。
安心安全な食べ物を求めて移住してくるお母さんたちがたくさんいて、みんなさまざまなアンテナが立っている。
教育多様性のお母さんたち。
トカイナカハウスをつかって、グループホームスクールや、キムチづくり、味噌づくりをやりました。

藤田)
自分たちが楽しむことで、どんどん人が集まってきますよ。
若い世代に合わせなくていい。
2020年までに女性の管理職を30%にすると言ったが、増えていない現状があります。
キャリアカウンセリングの目で見ると、モデルがいない。
ちゃんと働いている女性たちもいるが、女性だけに手厚く研修をすることで男たちがやっかんで差別をするということも。
そんなの関係ない。
スタートする時にスタートラインが後ろなんだ、当たり前だ、という記事を読みました。

藤本)
正規非正規合わせて2000人いる会社が業務規定を改定すると、
本当にこの通り有給とって、仕事回るのか?と。
結局大変になり、人が辞めていく悪循環が生まれると感じます。
民間でシェアハウス、いろんなこと起きているよと言って、気づいてもらうには時間がかかるけど、私たちは伝えることしかできないですね。

神山)
トカイナカハウスはシェアハウスです。
基本ゲストハウスになっています。
対個人で運営していますが、先日、茂木健一郎さんのセミナーを行ったところ、
学生を連れて来てゼミ合宿やりたいと言ってくれました。
セミナーもやるし、農業体験も、子ども作文教室など、
親子型にしたいです。
お母さんと子どもは大切なかたち。
低学年の子たちに、今、教育は書かせない。
子どもの表現力が低下しています。学校ではやらなくなったから親子でやるといいと思っています。
子どもに対してのセミナーですが、お母さんも一緒に書いてもらう。
特に低学年の子どもは対話をしながら、言葉を引き出してあげるプロセスが必要です。
指導者としてぼくもやるけど、お母さんが気づいてできれば、家庭でもできます。
とらんたんでは横浜教室をやりましょう。

藤本)
母ゴコロ。文章が上手とか下手ではなく、どれだけお母さんが子どもを見つめるかです。
そのうち地域のことや周りの子どもの事が気になる。
世の中と逆行していますが、お母さん業界新聞には「
わたし版」という素晴らしい新聞があります。
お母さんたちがつくっている、自分新聞です。それを地域で配るとさまざまな人と繋がのです。

神山)
活字ベースの交流ですね。
とある女子校で、30人のクラスがあり、毎日すこしずつ文章を書かせて、全員分を1枚にして読ませるということをしていたそうです。
すると、クラスの仲が良くなる。話さなくても風通しが良くなる。読者が明確だと共感できる。

藤本)
ペンを持つ事が大事です。とにかくペンを持つ、子どもも。

桑原)
親子で書くのは非常にいいですね。精神障害、ヤングケアラー、学校に行かない子、引きこもり、自閉症、発達障害…
今の社会課題は親子の関係が築けないことも関係している。
書くことは認知行動療法。
親子に介入すると、文章を書きながら何かきっかけになるのではないか?
発達障害や学校に行かない子、親から反論されない「書くという教室」が解決策になるかも?

神山)
書くことは、話し言葉よりは感覚が必要。そして残る。
ぼくも10代の頃に書いた作文は原点。何を考えていたか、という事が残っている。
お母さんとのやりとりもとっておくのはいいですよ。

藤本)
お母さん大学生は、わが子へのレポートを書いています。
月に一回書かなければならないと、子どもを見なければならない。
3年後に見たときに昔のことを思い出す。
10年経ってそれを子どもが見たら、全部理解できる。
あるお母さんは息子の結婚式に全部渡すと言っています。何よりのプレゼント。

お母さん業界新聞の4月号の特集は、「母親というものは」。
3月4月は、お母さんたち、めちゃくちゃ忙しい。
でも、そんなときにこそ書いてほしいと思いました。
自分自身に向き合う、伝えるということ。それがマザージャーナリズム。
読んでもらって共感してもらうのが大事。

藤田)
国語力を大切にするフィンランドでは、例えば研修で振り返り文章を書かせる。
添削はしないけど、お返事をする。
40歳過ぎたら大概のこと書けなければならないのに、習慣がない、本を読めない人が多い。
本を読むと、それを言いたかったんだよね、と語彙が増えます。
大人しい子だからこそ、危険。
自分の気持ちを伝えられないから、いつか爆発する。
書く、ということは、自分と向かい合う仕事。自分の気持ちを表す大切なことです。

神山)
作文の授業が25年間くらい国語の教科書からなくなっている。
今40歳くらいの人は教わっていないのでは?
日記や報告文はあるが、自分の気持ちを観察して書く事がない。
チャットGPTなるものも出てきた。ますます書かないでしょう。

子どもたちは学校で削られていく感覚、それが不登校となっていくことも多いです。
8泊9日、トカイナカハウスに来てください。変わっていくから。

藤田)
学校に変わるような、ときがわの星、川がありますからね。


左:神山典士さん、中:藤田完二さん、右:桒原茂さん

 

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